泌尿器科
Urology泌尿器科の診療内容
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01
血尿、蛋白尿検査一次検査
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02
前立腺疾患
前立腺肥大、前立腺炎、PSA異常
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03
子供の泌尿器科
おねしょ、包皮炎、包茎
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04
泌尿器科がん
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05
尿路結石
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06
男性更年期(LOH)症候群
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07
尿閉、自己導尿、カテーテル交換
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08
過活動膀胱
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09
夜間頻尿
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10
尿もれ
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11
ボトックス治療
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12
尿路感染症、性行為感染症
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13
ED(勃起障害)
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14
AGA(男性型脱毛)
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15
ブライダルチェック
01血尿、
蛋白尿一次検査
検尿異常は泌尿器科的な疾患(結石や癌など)の他にも腎臓内科的な疾患(腎炎やネフローゼ)によって引き起こされますが、症状が無く、検査でしか分からないような血尿(無償構成顕微鏡的血尿)では3割程度しか疾患が見つかりません。
当院では専門医が検尿、採血、X線、エコー、内視鏡(膀胱尿道鏡)を用いた診断を行います。さらに必要な場合には他医療機関と連携して詳しく調べてもらうこともあります。
02前立腺疾患
(前立腺肥大症)
前立腺について
前立腺は膀胱のすぐ下方、尿道を取り囲むように存在する臓器であり、精液の一部を作っています。
前立腺肥大肥大とは
前立腺は正常であれば20g未満(クルミ大)ですが、加齢によって起こるホルモンバランスの変化、肥満・高血圧、高血糖、脂質異常症との関連などによって大きくなる(前立腺肥大)ことが知られています。
50代から大きくなってくると言われ、60代で70%、80代では90%が前立腺肥大になっていることが疫学調査からわかっていますが、実際に症状が出る人はその1/4程度と言われています。
前立腺肥大症の症状
尿が出にくいこと(排尿困難)、尿が近いこと(蓄尿困難)が主な症状です。また、まれに排尿時の痛みを感じることもあります。
立腺肥大の薬物療法
症状や前立腺の大きさなどによって以下を使い分けます。当院では主に薬物療法のコントロールをメインに行います。
前立腺肥大症そのものに対する薬剤
(比較的長期的に使用し効果を得ます)
①デュタステリド
前立腺肥大を促進させ、男性型脱毛(AGA)を促進するジヒドロテストステロン(DHT)を抑制します。主な副作用に頭の毛が生えてくるなどがあり、AGA治療薬としても使用されます。また、まれに乳房障害を認めます。
②タダラフィル
骨盤内の血流を改善させる、血管内皮機能の改善、前立腺の炎症を改善させる、尿道を拡張させる、頻尿の経路をブロックするなどの働きがあります。主な副作用に胃もたれ、頭痛、勃起などがあります。自費診療の話にはなりますが2〜4倍の量をED治療薬として使用することがあります。
症状に対する薬剤
(比較的即効性があります)
③α1ブロッカー
尿道を広げて楽に排尿できるようにする。主に排尿困難に対して使用します。主な副作用に立ちくらみがあります。
④β3受容体作動薬
膀胱の筋肉をリラックスさせ、蓄尿困難に対して使用します。副作用はあまりありませんが、まれに排尿困難になったり、脈が速くなることがあります。
⑤抗コリン薬
膀胱の筋肉の収縮を抑制し、蓄尿困難に対して使用します。主な副作用に排尿困難、便秘、口渇があります。
前立腺肥大の手術療法
現在では主にレーザーを用い、肥大した前立腺をくり抜いたり、蒸散させる治療が一般的です。電気メスを用いる治療法よりも出血量が少なく安全であるため入院期間が短縮している傾向があります。
当院では行うことはできませんが、手術療法の事前相談や手術のできる医療機関を紹介します。ご希望の医療機関があればお申し出ください。
03子供の泌尿器科
包皮炎
男の子は発達の途中で性器に興味を持つ時期があります。不潔な手で性器を触ると包皮に炎症を起こすことがしばしばあり、これを包皮炎といいます。抗生剤の内服薬や外用薬で治療を行います。
包茎
小学校高学年以降、第二次性徴の際に陰茎が大きくなってくるのとともに、自然にむけてくることが多いのですが、全く剥くことができない場合は真性包茎(手術適応)の可能性があります。
小学生までは入院の上、全身麻酔の手術になります。逆に少しでも亀頭部が見えるようであれば、将来的に真性包茎になる可能性は低く、手術の必要がないかどうか判断いたします。また必要なお子さんにはステロイドの外用薬を処方しますので塗っていると剥けやすくなります。
おねしょ(夜尿症)
子供のおねしょは主に多尿型(ホルモンの分泌が悪く夜間尿量が多い)、膀胱型(不安定膀胱で尿意切迫感がある)、混合型があります。就寝2時間の飲水制限などの生活指導で改善がない場合、多尿型にはホルモンの補充療法、膀胱型にはアラーム療法や抗コリン薬、混合型には両方で治療を行います。
04泌尿器科がん
泌尿器科がんとは、前立腺がん、腎盂膀胱がん、腎がん、精巣がんなどを指します。現在、当院で悪性疾患の手術を行うことはできませんが、基幹病院と連携し、以下の治療を行っております。
- 前立腺がんのホルモン療法
- 表在性膀胱がんの術後フォロー(定期的な膀胱鏡検査)
- 通院での腎臓がんフォロー、精巣がんフォロー(当院でフォロー可能と判断した患者さんのみ)
将来的には、一部の患者様に対しての訪問診療を考えております。
05尿路結石
尿路性器感染症は、性行為に関連しないものと関連するものがあります。それぞれの臓器で感染を起こすことはありますが、熱が出る感染症(腎盂腎炎、急性細菌性前立腺炎、精巣上体炎、精巣炎)と熱が出ないもの(膀胱炎、慢性前立腺炎)があります。
当院で治療を行う性行為感染症は、男性の感染症(尿道炎や結膜炎、咽頭炎)を対象とします。
原因となる菌や地域の抗生剤の使用状況から薬剤耐性菌も増えており、適切と思われる抗生剤を選択しながら治療を行います。腎盂腎炎や急性最近性前立腺炎は敗血症(血液の中に菌が入ってしまう)になり重症化したり、合併症を起こす可能性があることから、状況に応じて入院先を紹介させていただくこともあります。
06男性更年期(LOH)
症候群
2021年の調査では、中高年就労男性のおよそ1割が更年期障害に苦しんでいるという調査があることから、現代社会においてLOH症候群の適切な診断と的確な治療の重要性が高まっています。
加齢に伴う様々な機能変化の中で、精巣をはじめとする生殖内分泌器官の老化は重要であり、LOH症候群についても男性ホルモン(主にテストステロン)低下に伴う多臓器機能障害と理解される。LOH症候群の症状としては、全身倦怠感、性欲低下、筋力低下、ED、集中力低下、不眠、いらいら、早朝勃起の減少など多岐にわたります。
また、加齢男性でのテストステロン減少が抑うつ状態、性機能低下、認知機能の低下、骨粗鬆症、心血管疾患、内臓脂肪の増加、インスリン抵抗性の悪化、総コレステロール値とLDLコレステロール値の上昇に関連し、心血管系疾患、糖尿病などの危険因子になります。
当院では、LOH症候群が疑われる方について積極的に状況を伺います。症状があり、テストステロン値が低下している方については男性ホルモンの補充療法(TRT)を行っています。現在日本で保険適応になっている薬剤は注射剤のみなので、具体的には3〜4週ごとに来院いただき、テストステロン製剤の注射を行い、改善傾向であれば間隔を延長、可能であれば終了していきます。
タダラフィルやデュタステリドが、テストステロン値を上昇させることがわかっており、また前立腺肥大症がある方については、これらの薬剤の投与も検討いたします。また、漢方薬では柴胡加竜骨牡蛎湯などが症状に対して有効であるとの報告もあり、漢方薬も含めた統合医療を行っています。
一方で、うつ病や適応障害といったメンタルヘルス疾患も同様の症状をきたすため、これらの疾患との鑑別や重複している場合もあるため、メンタルクリニックとの連携も重要です。必要と感じる方は先に受診できる医療機関を受診いただけますと幸いです。
07尿閉、自己導尿、
カテーテル交換
尿が溜まっていても尿が出ない場合(完全尿閉)や、排尿後に残尿が200ml以上ある場合(不完全尿閉)は、生活の質も落ちてしまいますし、場合によっては腎機能を低下させたり、慢性感染の原因になってしまいます。前立腺肥大症や神経因性膀胱に準じて治療を行いますが、薬物療法が無効な場合は自己導尿を指導したり、カテーテルを留置し定期的な交換を行なったりします。
状況に応じて、膀胱瘻の造設や尿道ステントの留置を当院で行い対処することもあります。
現在、浦安市特別養護老人ホームに入所中で、カテーテル管理を行っている患者様は、嘱託医の要請に応じ往診でカテーテル管理を行っております。
08過活動膀胱
たまってもいないのに急にトイレに行きたくなる(尿意切迫感)ことで困るというのが過活動膀胱です。膀胱が意図せず収縮してしまう反射が起きやすくなっており(排尿筋過活動)、頻尿や尿失禁をきたします。切迫感や失禁がある方、夜間や日中の頻尿(おおむね2時間以内を目安にします)のある方は日常生活に支障をきたすため治療を行います。
骨盤底筋体操と以下の薬剤を使用します。
①β3受容体作動薬
膀胱の筋肉をリラックスさせます。副作用はあまりありませんが、まれに排尿困難になったり、脈や血圧が上昇することがあります。
②抗コリン薬
膀胱の筋肉の収縮を抑制します。主な副作用に排尿困難、便秘、口渇があります。
09夜間頻尿
夜間頻尿は、排尿筋過活動によるもののほか、夜間多尿や睡眠障害が原因になっていることも多く問診や検査から診断、治療を進めていきます。
夜間多尿のある方については、飲水量が多かったり、夕方以降もカフェインを摂取する場合のみならず、循環器疾患(高血圧やその治療薬、心不全など)、足の浮腫、睡眠時無呼吸症候群がその原因になっている場合があります。また加齢のため抗利尿ホルモンの分泌が低下には内服でホルモンの補充療法を行います(男性のみの保険適応)
10尿もれ
尿漏れには大きく三つの種類があり、それぞれに合わせた治療を行います。
切迫性尿失禁
排尿筋化活動により、強い尿意切迫感で我慢できずに漏れてしまう尿もれ。過活動膀胱に対する治療を行います。
腹圧性尿失禁
骨盤底筋の緩みによってくしゃみや立ち上がる際に漏れてしまう尿漏れ。治療として、骨盤底筋体操、内服薬(クレンブテロールなど)を行います。難治性の場合には女性泌尿器を専門する医療機関へ紹介します(手術療法の検討)
溢流性尿失禁
排尿できず膀胱がパンパンになり漏れてきてしまう尿もれ。治療として、内服治療、カテーテル管理、尿道ステント留置などを行います。
11ボトックス治療
難治性の過活動膀胱や副作用により、過活動膀胱に対する内服薬が十分に使用できず困ってしまう場合は、筋肉の強張りをとるボトックスという薬剤を直接膀胱内に注射し、緩和する方法が当院でも行えます。効果は3~6ヶ月であり、効果が薄れる度にメンテナンスとして注射を行っていき、生涯にわたるマネージメントを行っていきます。
12尿路感染症、
性行為感染症
尿路性器感染症は性行為に関連するものと、しないものがあります。それぞれの臓器で感染を起こすことはありますが、熱が出る感染症(腎盂腎炎、急性細菌性前立腺炎、精巣上体炎、精巣炎)と熱が出ないもの(膀胱炎、慢性前立腺炎)があります。
当院で治療を行う性行為感染症は、男性の感染症(尿道炎や結膜炎、咽頭炎)を対象とします。
原因となる菌や地域の抗生剤の使用状況から、薬剤耐性菌も増えており、適切と思われる抗生剤を選択しながら治療を行います。腎盂腎炎や急性最近性前立腺炎は、敗血症(血液の中に菌が入ってしまう)になり重症化したり、合併症を起こす可能性があることから、状況に応じて入院先を紹介させていただくこともあります。
13ED(勃起障害)
ED(勃起不全)とは?
EDとはErectile Dysfunction(勃起不全)の略です。専門的には「満足な性行為を行うのに十分な勃起が得られないかまたは維持できない状態が持続または再発すること」と定義されます。簡単に言い換えると性的に興奮しても勃起しない、十分硬くならない、途中で抜けてしまう、長続きしないことが続いたり、しばしば起こる状態のことを指します。
EDの原因
加齢のほか、糖尿病、肥満や運動不足、血管疾患や高血圧、喫煙、テストステロン(男性ホルモン)低下、慢性腎臓病と下部尿路症状、神経疾患、外傷や手術、心理的および精神疾患的要素、睡眠時無呼吸症候群などがあります。また服用中の薬剤による副作用が原因になることがあります。高血圧では41.6%、糖尿病で42%、脂質異常症で20%の患者さんがEDであったというデータもあります。単に歳のせいだけではなくEDのため受診したものの、他の疾患が進行しつつあるかもしれないということです。侮らず早めに受診しましょう。
EDの治療薬
PDE-5阻害薬(日本ではバイアグラ、レビトラ、シアリス)が保険適応です。動脈の筋肉をリラックスさせ血流を増すことで性的な興奮があった際に勃起しやすくなります。副作用には頭痛・ほてり・鼻づまり、動悸などがあります。心疾患で亜硝酸薬を使用されている方は使用できません。また心筋梗塞や脳卒中を起こしてから6ヶ月は使用できないなどの制限があります。
当院ではバイアグラのシート(舌下で溶けるので水分の必要がない)、レビトラとシアリスのジェネリックを用意しています(自費診療一覧表はこちら)。
バイアグラは一番早く開発された薬剤であり実績があります。血中濃度が最大になるまでの時間はおよそ0.9時間で、効果のピークは1-2時間ですが効果の持続は約4時間です。食事の影響があるので空腹時の内服が推奨されます。最もスタンダードな薬と言えます。
レビトラは血中濃度が最大になるまでの時間は0.75時間でありバイアグラに比べると効果が出るまでが早く、効果の持続時間は約4時間です。比較的食事の影響は受けにくいですが、脂肪の多いものは影響されることがあります。バイアグラに比較すると効果が高く糖尿病の方にも実績があります。
シアリスは血中濃度が最大になるまでの時間は約3時間でで効果の持続時間は約36時間です。上記2剤に比べるとゆっくり効き始めますが持続時間が長いため、性行為のタイミングが難しい方に向いていると言えます。持続時間が長いことからウィークエンドピルと言われます。
ED治療の目的
ED治療の目的は「満足のいく性的関係を回復すること」で、人生100年時代の良いカップルライフをより良く生きる(well being)の支えになることです。当院はこの点においても生活習慣病をはじめ、禁煙、睡眠時無呼吸症候群のマネージメントが大切であると考えています。
14AGA
(男性型脱毛)
AGA(男性型脱毛症)とは
男性特有の薄毛のことをAGA(androgenic alopecia)といいます。
主な男性ホルモンであるテストステロンが5αリダクターゼという酵素によってジヒドロテストステロン(DHT)に変換されます。DHTは前立腺肥大とAGAを引き起こします。若い頃はテストステロンがたくさん出ているためDHTの作用はマスクされていますが、加齢によりテストステロンが減少してくるとDHTの作用がはっきりしてきてAGAならびに前立腺肥大を引き起こします。そのほか脱毛の原因として遺伝的なもの、ストレス、食事などの生活習慣が関与しています
当院のAGA治療
5αリダクターゼをブロックしDHTを減少、テストステロンを上昇させる治療を行います。5αリダクターゼにはⅠ型とⅡ型があり、Ⅰ型のみをブロックするのがフィナステリドです(大手のクリニックのテレビCMなどでご覧になった方もいらっしゃると思います)。 標準的な薬です。
一方でⅠ型とⅡ型をブロックするデュタステリドは、フィナステリドに比べ30%効果が高いとされています。当院では効果が高く、値段も良心的なデュタステリドのジェネリック医薬品のみを取り扱っております。